英語・英会話の情報ランド ★コミュニケーションの上手なとり方(5)《執筆A.Y.》 賞賛の仕方(2) ところで、誇張の効果があって、賞賛が強調されると考えられるのは感嘆文ですが、前述の研究によれば、意外なことに感嘆文はほめことば全体の約5%にしか使われていません。 また、感嘆文はどちらかといえば女性的で、やや古めかしく聞こえるというネイティブスピーカーもいます。 それに対して、「I like your+名詞」の形は、英語圏で男女を問わず多用されるほめことばです。 しかし、このほめ方は、日本人の言語感覚にはなじまないかもしれません。 この英語独特のほめことばは、日本人の耳には「ほめている」というよりも「欲しがっている」ように聞こえないこともないからです。 しかし、英語の言語感覚では、「That's+形容詞+名詞」のような非人称表現より、「私」がどう感じているかを伝えている分だけ親近感がこもるので、ほめことばとして好まれています。 また、相手の努力や献身ぶりなどに感心したときには、Iを主語に立てて、動詞はadmireを使うと決まります。 Iを主語にしたもう一つのほめことばとして、I'm impressed withという言い方も応用範囲が広くて便利です。 また、日本語に比べて英語では、形式的でおざなりなほめことばより、もっときめ細かな、誠意の感じられるほめことばが好まれるようです。 細かいところにまで関心を寄せてコメントするので、その分ことばが長くなります。 とにかく具体的にほめることが、英語のコミュニケーションでは大切です。 そのためには、通り一遍の表現ですませるのではなく、なるべく自分が感じたままを自分のことばで伝えるようにすることです。 ほめられたときの受け止め方も、日本語の発想と英語のそれとでは大きく異なる点があります。 日本語のコミュニケーションでは、相手からほめられたことを否定することが多いのではないでしょうか。 日本には、自分の能力を誇示するよりも謙遜しておくほうが無難であるという社会的なルールというか、処世術のようなものがあるからです。 しかし、それをそのまま英語に直訳すると、いかにも意欲に欠ける人というネガティブなイメージを与えてしまいます。 英語のコミュニケーションにおいて、ほめるという行為の役割は、親密感をつくり出すことですから、ほめことばを否定することは、相手がせっかく示してくれた好意を拒否することになります。 ここでも発想の転換が必要です。 ほめことばへの応答の基本は、相手が投げかけてくれたほめことばを、Thank you.(またはIt's nice of you to say so.)と言ってありがたくそのまま受けいれることです。 しかしながら、英語圏にも、賞賛に対する控えめな言語行動はあります。 ほめられた自分の手柄の背後にどんな経緯があったのか、背景を説明したり、自分に向けられた賞賛を他の人に移したりする応答の仕方も見られます。 ほめられたときに、そっけなく否定したり、卑下したりするのは、英語圏の人々の感覚になじみません。 しかしだからといって、送られたほめことばを受けっぱなしにするとか、むやみに自画自賛するというのでもありません。 英語のpolitenessには、さりげない謙虚さもまた含まれています。 <特訓!入門〜通訳まで、成果公約。親身の熱誠指導に一切の妥協なし> NCCは当サイトのスポンサーです <ページ番号検索> |